Freshmanのためのパソコン購入ガイド 2010春

この春大学に入学した新入生(freshman)の参考になればと思い、パソコン購入に関する情報をまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

はじめに:私がパソコンに求めるもの

まず最初に、このガイドを書いている私がパソコンに何を求めているのかを明確にしておきます。なぜかというと、以下の情報は、私個人のパソコンに対する価値観を色濃く反映しているからです。言うまでもないことですが、このガイドは参考情報であり、最終的には皆さんが何を買うかを決めて下さい。また、以下のガイドで紹介しているパソコンや機器について、アフィリエイトに繋がるリンクは一切ないこともお断りしておきます。

[note]アフィリエイト(affiliate)とは:インターネット上の広告手法のひとつ。個人のブログなどから企業の商品販売ページにリンクを貼り、閲覧者がそのリンクを経由して商品を購入した場合、ブログ作者に報酬が支払われる仕組み。[/note]

私がパソコンに求めるものは次の3つです。

  • 毎日持ち運べる重さ
    • 私は、大学生はパソコンを文房具感覚で使うべきだと考えています。筆記用具を毎日持ち運ぶのとおなじで、大学に来るときはパソコンも持ってきて欲しいのです。そうなるとデスクトップパソコンは選択肢から外れますので、このガイドでもノートパソコンしか取り上げません。また、毎日持ち運ぶとなると、重さがとても重要な要素になります。私の経験上、1.6kgを越えるとかなり重く感じます。というわけで、以下のガイドではできる限り1.6kg以下のものを選びました。
  • 長時間使える操作性
    • パソコンを文房具と同じ感覚で使うということは、パソコンに触れる時間が長いと言うことです。そのため操作性はとても重要です。キーボードは打ちやすいか、画面の大きさは十分かなど、そう言った点にもこだわります。
  • ハードウェアとしての機能
    • パソコンは機械の集合体です。機械に性能があるようにパソコンにも機械としての性能があります。どうせ買うなら長く使いたいので、多少お金はかかっても性能の良いものを買うように私はしています。特にノートパソコンの場合は、デスクトップとは異なり部品を入れ替えたり増やしたりといったパワーアップ(拡張)が難しいので、ここは重要なポイントです。

以上が私のこだわりポイントです。おわかりのように、デザイン(見た目のカッコ良さ)については考慮していませんのでご注意ください。

基本:パソコンの性能は何で見る?

パソコンの性能は何を基準に判断すればいいのでしょう?パソコンメーカーのサイトに行くと、各社とも新製品の売りを画像や動画で宣伝していますが、機械としての性能をずばり知りたければスペックを見れば良いのです。スペック(spec)とはspecificationの略で、機械の構造や性能がまとめられた表のことです。

ためしに東芝dynabook SS RX2のサイトを見てみましょう。いろいろな画像や宣伝文句が並んでいますが、画像の上部のメニューのところに「仕様」という項目があります。スペックはここにあります。「仕様」をクリックすると、このパソコンのシリーズの性能が表にまとめられているのがわかります(ちなみに「仕様」のページのアドレスを見ると、spec.htmlと書いてあります)。

スペックだけを見て性能を理解するのは少し難しいかもしれませんが、慣れてくるとスペックを見た方が手っ取り早くパソコンの性能を把握できます。では、スペックの項目をいくつか見てみましょう。

  • プレインストールOS
    • パソコンに最初から入っているOSのことです。OS(Operating System)とは、WindowsやMac OSのことを指します。OSが無ければパソコンは動きません。
  • プロセッサ
    • プロセッサはCPU(Central Processing Unit)とも言われます。CPUはパソコンの頭脳にあたります。パソコンの性能を決める非常に重要な部品です。
    • パソコンは、ワープロソフトを動かしたりメールを送ったり、いろいろな作業をします。私たちの目には見えませんが、そうした作業の裏ではパソコンが一生懸命に数字や記号を使って計算をしています。むかしはパソコンを計算機とか電算機と読んだのはそのためです。CPUは、パソコンがどれだけ速く計算を処理できるかを表すのです。
    • CPUにも色々な種類がありますが、とりあえずは、動作周波数という値が高ければ高いほど計算が速いと思っておいてください。
  • メモリ
    • 私たちが複雑な計算するときにノートや黒板に書いて行うのと同様に、パソコンも計算をするための黒板が必要となります。メモリは、計算を書くための黒板だと思って下さい。
    • 小さい黒板よりも大きい黒板のほうがたくさん計算式を書くことができます。黒板の単位はGB(ギガバイト)で表されます。GBが大きければ大きいほど、パソコンは一度にいろいろな計算をすることができるので、結果として速くなるのです。メモリという黒板は、ふつうは後から増やすことが可能です。
    • 先ほどの東芝 dynabook SS RX2のスペックには「4GB(2GB×2)/4GB」と書かれています。「/」(スラッシュ)の左側は最初からついているメモリの大きさです。右側はこのパソコンに搭載できるメモリの最大容量です。どちらも4GBですから、このパソコンにはこれ以上大きなメモリを載せることはできません。このように薄型パソコンではメモリ増設が難しい場合が多いので注意が必要です。
  • SSD/HDD
    • SSDやHDDはデータを収納するための引き出しです。引き出しのサイズが大きければ大きいほど、たくさんのデータを収納しておけます。
    • 保存しておいたファイルを開いたり保存したりするとき、この引き出しからデータを出したり入れたりしているのです。
    • HDD(Hard Disk Drive)は、昔からある引き出しの種類です。最近は大きなサイズでも値段が安くなりました。SSDに比べるとデータの出し入れをするときの速さが劣ります。
    • SSD(Solid State Drive)は、最近になって登場した引き出しの種類です。その魅力は、データの出し入れをするときの速さがHDDより速いことです。しかし、HDDに比べると値段が高いため、どうしても引き出しのサイズが小さくなってしまいます。現時点ではSSDは速さを追求したい人向けの引き出しだと言えます。
  • 光学ドライブ
    • 光学ドライブとは、CDやDVDを読み込んだり書き込んだりする装置のことです。
    • 最近のノートパソコンの中には、重量を減らすため光学ドライブを最初からつけていないものも存在します。
  • 質量
    • パソコン本体の重さです。ノートパソコンは電源コードを使わないときに電池(バッテリ)で動かすことができます。重さの情報には、ですから、バッテリを装着したとき・していないときの重さが両方記載されます。

ガイド:モバイルノートPC

モバイルノートPCとは、持ち運びが簡単にできるノートパソコンのことです。1.6~2.0kgくらいの重さのノートパソコンを指します。高性能なCPUを搭載し、メモリもたっぷり搭載でき、HDDも大きなサイズです。デスクトップパソコンと比べても遜色ないパワフルさが売りですが、価格も高めです。

Lenovo ThinkPad Xシリーズ

これまで様々なモバイルノートPCを使ってきた私ですが、最終的にはThinkPadシリーズに落ち着きました。パワフルで質実剛健。仕事で使うならThinkPad以外の選択肢は今のところ考えられません。ThinkPadには色々な種類があり、Xシリーズはモバイルタイプを表します。

この春に出た最新版はX201です。私は近々これに買い替える予定です。ThinkPadはLenovoのサイトから直販で買うのが一般的です。

注意してほしいのは、X201シリーズには光学ドライブがついていないということです。CDやDVDなどを読み込みたいときは外付けのドライブが必要になります。光学ドライブつきが欲しい場合はX301になりますが、値段がかなり高いです。

Panasonic Let’s note Sシリーズ

現在では、軽量モバイルPCと言えばLet’s noteでしょう。とにかく軽いです。なかでもSシリーズは、非常にパワフルなCPUを搭載し、おまけに光学ドライブまでついて、重量わずか1.3kgです。女性でも毎日気軽に持ち運べる重さです。

Let’s noteは昔から頑丈設計を売りにしています。重さは軽くてもしっかり作られているという安心感もあります。

私はThinkPadユーザーになる前はLet’s noteユーザー(「れっつらー」と言います)でした。何度か修理をお願いすることがあったのですが、Panasonicの対応は非常に迅速で丁寧でした。

ただ、メモリが4GBまでしか搭載できないのが私にはややマイナスポイントです(X201は最大8GB)。普通に使うユーザーには4GBで十分だと思いますが。

ガイド:話題のCULVノート

CULV(カルヴ)とは、Consumer Ultra Low Voltageの頭文字をとったもので、CPUに低電圧のものを使用しています。低電圧なので消費電力が少なく、おまけに安いのです。モバイルPCとネットブックの中間に属するパソコンです。また、一般的にCULVノートはモバイルPCよりも軽量に作られていることも特長です。値段も安く、そこそこパワフルなのに軽い。CULVはまさに大学生のために作られたパソコンと言ってもいいかもしれません。

ASUS UL20A UL20A-2X044V

いろいろ発売されているCULVパソコンの中でも、価格.comで値段が最安値5万円を切り、かつ人気が高いモデルがこれです。

重さは1.56kgで、ネットブックに比べると重いですが、そのぶん性能はなかなかのものです。ただし、光学ドライブは内蔵されていませんのでご注意ください。

ガイド:超軽量のネットブック

ネットブックは、ブラウジング(Webページの閲覧)やメール送受信など、インターネット関連のサービスを利用するときに手軽に使えるために開発された小型軽量のパソコンのことです。値段が安くて非常に軽量なのは嬉しいのですが、モバイルPCやCULVのような性能面でのパワーはありません。私はこれまでに2台のネットブックを使ってきましたが、メインで使うことはありませんでした。出張や旅行にちょっと持って行くには便利なのですが、日常の仕事をネットブックで行うのは無理があると思います。もちろんお金に余裕のある人は、大学に持ってくるためだけの用途でネットブック買ってみてもいいかもしれません。

ACER Aspire one D250 AOD250-Bb18

数あるネットブックの中でも、価格.comでの人気が高いモデルです。ネットブックなので光学ドライブはついていませんので注意してください。

以上4台のパソコンを紹介しましたが、ここでご紹介したのはマーケットに出回っているパソコンのほんの一部に過ぎません。価格.comには他にも多くのパソコンの情報が掲載されています。最安値情報やクチコミ情報、実際に買った人のレビューなど、参考になる情報満載です。また、パソコンの選び方についてもっと詳しい情報が欲しい方は、「パソコンの選び方、購入ガイド With pc」をご覧ください。

基本:セキュリティに気をつけよう!

大学やいろいろな場所にパソコンを持ち歩くのはとても便利なのですが、セキュリティには気をつけましょう。パソコンは個人情報の宝庫です。できるかぎりカバンに入れて持ち歩き、トイレや食堂で置き忘れることのないようにしましょう。また、Windowsの場合ですと、ちょっとだけ離席するときでもロックをかけるようにしましょう(ロックは、Windowsキー+Lでかけることができます)。

[tip]最近では、指紋認証でロックをかけることのできるノートパソコンが多いです。指紋認証デバイスはThinkPad Xシリーズなどに標準で搭載されています。[/tip]

発展:ノートパソコンをデスクトップのように使う

持ち運べるノートパソコンは便利なのですが、デスクトップと比べると難点もあります。その中でも、画面が小さいという点は大きなデメリットです。

そこでオススメしたいのは、家に持ち帰ったときはノートパソコンを外部モニタに繋いで使うというアイデアです。画面が広いといろいろな作業の効率が大幅にアップします。最近では20インチ以上の液晶モニタがとても安い値段で買えますので、ぜひ試してみて下さい。(詳しくは、NeXTパソコンスクール日記「ノートパソコンに外部ディスプレイをつなぐ」をご覧ください。)

私は、外部モニタに加えて、USBコネクタにキーボードやマウスを繋いでまるでデスクトップパソコンのようにノートパソコンを使っています。感動的に便利ですよ!

ノートパソコンをデスクトップパソコンのように使用している例

Freshmanのためのパソコン購入ガイド 2010春」への2件のフィードバック

  1. まや

    コンピューターは個人的に勉強して、よくわからず、何かあるとすぐにプロのひとの手を借りてます。
    新しいコンピューター購入のためにたまたまこのサイトを見つけましたが、とてもラッキーでした。
    買い物に行く際に、どきどきせずに何をチェックすればいいのか少し自信がつきました。
    わかりやすい文章での説明を本当にありがとうございました。

  2. syuhei 投稿作成者

    >まやさん

    お役に立てたようで嬉しいです (^ ^)
    すてきなパソコンライフを!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください